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ラジオ情報〜ラジオのラ〜


AMステレオ放送

AMステレオ放送対応ラジオは探すのがむずかしいぐらい、店頭でもほとんど見かけなくなりました。
ステレオ音声を聴くためにはAMステレオ放送対応ラジオが必要ですが、普通のモノラル受信のAMラジオでも音声を聞くことができるような方式になっています。そのため、AMラジオがステレオ放送されていることを知らないという人も多いのではないでしょうか。それほどマイナーになったAMステレオ放送についてスポットを当ててみました。

■AMステレオ放送の歴史

日本では、1992年3月15日からAMステレオ放送が東京・大阪の民放局で開始されました。
AMステレオ放送の研究は、古くから行われており、1926年にアメリカ電信電話会社のP.K.Potter氏が直交変調方式のAMステレオ方式の特許をとっています。
その後アメリカでは、AM放送がFMステレオ放送に押される中、AMの生き残りをかけて検討が行われましたが、AMステレオ方式(ベラー、マグナボックス、モトローラ、カーン、ハリスの5方式)が一本化されず市場原理に任せることとして、1982年にはカーン方式によるAMステレオ放送が開始されました。以来、AMステレオ放送方式の市場競争が展開されましたが、現在はモトローラ方式を採用している放送局が多くなっています。
日本での中波ステレオ放送は、1952年12月にNHKがラジオ東京第一放送と東京第二放送の2つの電波を使って右信号と左信号をそれぞの放送で送信して、立体放送「土曜コンサート」の番組(東京地域のみ)で放送したのが始まりです。その後、全国で2波放送によるステレオ放送が実施されましたが、FM放送の普及もあり1965年で終了となりました。
2波によるステレオ放送は、放送局(演奏所)から送信所までの距離、伝送路の位相遅延特性の違いなどから、左右の信号に位相差が生じ、音源が頭の周りを回転するように聞こえることがあったようです。

1962年頃より、民放各社やNHKにおいて1波によるAMステレオ放送の実験が行われ、BTA(放送技術開発協議会)の実験調査報告が郵政省に提出され、その後1991年4月に郵政省電気通信技術審議会が3年にわたる検討結果を取りまとめ、モトローラ方式による「中波ステレオ放送に関する技術的条件」を郵政大臣に答申しました。この答申を受けて、1992年(平成4年)1月16日に電波法省令が改正され中波放送の技術基準が施行されました。

同年3月15日にAMステレオ放送が、東京放送、文化放送、ニッポン放送、朝日放送、毎日放送の5局により開始されました。さらに、九州朝日放送、RKB毎日放送が4月1日から、中部日本放送、東海ラジオ放送が4月4日から開始しています。
なお、NHKでもAMステレオ放送の検討は行われたようですが、既にFMによるステレオ放送を行っていることや、全国の送信設備をAMステレオ放送に更改するためには莫大な費用がかかるため現在まで実施されていません。

■AMステレオ放送対応ラジオ

AMステレオのマーク 1992年のAMステレオ放送開始時にはステレオ放送が聴けるラジオは、ソニーSRF-M100(オーディオカセットサイズ)、アイワCSD-SR80(ラジカセ)、CR-D60(名刺サイズ)の3機種しかありませんでした。
その後、各社から発売されるAMラジオはAMステレオに対応したものが次々と出ましたが、現在販売されている機種は次のものしかありません。 (※注 漏れている機種があるかもしれません)

メーカー機種名概要
ソニーSRF-AX51Vアナログチューニング方式TV/AM/FMステレオポケッタブルラジオ
SRF-AX15アナログチューニング方式AM/FMステレオポータブラジオ
SRF-A300アナログチューニング方式AM/FMステレオ ホームラジオ
松下RX-FT53AMステレオ放送対応ダブルラジカセ 生産終了
ビクターRC-QS11AMステレオ放送対応CDラジカセ 販売終了
パイオニアF-D3AMステレオ搭載FM/AMデジタルシンセサイザー・チューナー
デノンTU-1500AMステレオ対応FM/AMステレオチューナー
ヤマハTX-492FM/AMステレオチューナー 生産終了

AMステレオ用のICチップは、唯一モトローラが製造しておりましたが、製造が中止されているため、AMステレオ放送対応ラジオは減少する一方です。上記機種もいつまで発売されるのでしょうか。

■AMステレオ放送局

AMステレオ放送を行っているAMラジオ局
地域ラジオ局送信局周波数(出力)
北海道HBCラジオ札幌1287kHz (50kW)
北海道STVラジオ札幌1440kHz (50kW)
関東TBSラジオ東京954kHz (100kW)
関東文化放送東京1134kHz (100kW)
関東ニッポン放送東京1242kHz (100kW)
東海CBCラジオ名古屋1053kHz (50kW)
東海東海ラジオ名古屋1332kHz (50kW)
近畿ABCラジオ大阪1008kHz (50kW)
近畿MBSラジオ大阪1179kHz (50kW)
近畿ラジオ大阪大阪1314kHz (50kW)
近畿和歌山放送和歌山1431kHz (5kW)
中国山陽放送岡山1494kHz (10kW)
中国山陽放送高梁1494kHz (1kW)
中国中国放送広島1350kHz (20kW)
九州RKBラジオ福岡1278kHz (50kW)
九州KBSラジオ福岡1413kHz (50kW)※2007年4月1日終了
九州熊本放送熊本1197kHz (10kW)

■AMステレオ放送の受信

ラヂヲ堂のAMステレオ対応ラジオは、パナソニックRF-HS70です。
通勤ラジオタイプの小型ラジオですが、これで上記のAMステレオ放送を行っている放送局をどのぐらいステレオで受信できるのか受信にチャレンジしてみました。受信には外部アンテナは使用せず、内蔵のバーアンテナのみで行いました。 (2005年11月7日 22:00〜22:30)

ラジオ局周波数(出力)SINPOステレオ
HBCラジオ1287kHz (札幌:50kW)43333
STVラジオ1440kHz (札幌:50kW)受信不能※ 
TBSラジオ954kHz (東京:100kW)54444
文化放送1134kHz (東京:100kW)55544
ニッポン放送1242kHz (東京:100kW)55555
CBCラジオ1053kHz (名古屋:50kW)43443
東海ラジオ1332kHz (名古屋:50kW)54444
ABCラジオ1008kHz (大阪:50kW)44433
MBSラジオ1179kHz (大阪:50kW)44433
ラジオ大阪1314kHz (大阪:50kW)44433
和歌山放送1431kHz (和歌山:5kW)受信不能 
山陽放送1494kHz (岡山:10kW)33333
中国放送1350kHz (広島:20kW)44433
RKBラジオ1278kHz (福岡:50kW)33333
KBSラジオ1413kHz (福岡:50kW)受信不能※ 
熊本放送1197kHz (熊本:10kW)受信不能 

結果としてはほとんどの局をステレオで受信できました。なお、受信場所によって周辺機器からのノイズを強く受けるため、ノイズの入らない場所に移動したり、ラジオ(バーアンテナ)の向きを変えてみるなどしなければ上手く受信できません。
受信不能だった局で、※マークの局はラヂヲ堂の近くに送信所のあるラジオ日本(1422kHz 川崎:50kW)の強力なかぶりのため受信できなかったものです。

RF-HS70 RF-HS70のイヤホンジャックは、超ミニジャック(2.5mm)のため、左の写真のようにミニジャックへの変換アダプタをつけています。これではアダプタがじゃまでポケットには入らないので、今は超ミニジャックのステレオイヤホンを使っています。

ソニーの現行AMステレオ放送対応ラジオがみなアナログチューニング方式なので受信にはコツがいりますが、それに対してこの機種はデジタルチューニング方式なので受信したい局に合わせるのが大変楽です。

遠距離AM局のステレオ受信というのは、フェージングがあるため、受信強度が強いときにしかステレオ受信できず不安定なのですが、それでもステレオ表示マークが表示され音声がステレオで聞こえたときにはスゴイと思います。

AMステレオ対応ラジオをお持ちでしたら、一度聞き直してみてはいかがでしょうか。
野球シーズでしたら、ナイター中継が臨場感バッチリで聞こえてきます。
AMステレオなんてまだ聴いたことがないという方は、生産終了機種をオークションやリサイクルショップで入手してみるのもいいですよ。


◆九州朝日放送(KBCラジオ)AMステレオ放送を終了

KBCラジオでは、1992年4月から行ってきたAMステレオ放送を2007年4月1日で終了し、4月2日よりモノラルで放送しています。聴取者にメリットがないという判断のようです。

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